2015年度演習(国際政治経済論)1,2説明(2015/4/16暫定)

2015年度ゼミ(演習:国際政治経済論1、2)希望者へ
 ※秋学期からの受講は、留学等で継続履修の場合以外は原則として認めませんのでご注意ください。

演習(国際政治経済論)は、大学全体のカリキュラムがセメスター制に移行ということで、形式上春学期の演習(国際政治経済論)1と秋学期の演習(国際政治経済論)2の半期ごとにわかれています。 しかしながら、この演習2つは、原則として連続して受講するもの、つまり通年のゼミとして考えますのでご注意ください。このため、秋学期の演習(国際政治経済論)2の受講は、 春学期の演習(国際政治経済論)1をその年かそれ以前に受講したものに限る予定ですので、ご注意ください。なお、このようにこの演習を通年のゼミとして私がみなしたい理由は以下の 2点です。

@演習(国際政治経済論)2においては、卒業論文またはゼミ論文またはそれに準じるもの(グループ研究の場合もあり)を仕上げることを要求するのですが、夏休み前にテーマの相談をし、夏休み中にその準備をしない限り 良質なものを作ることは難しいと思います。
A大学生活の一つとして、そしてその後の生活のためにもゼミとその仲間を大切にしていただきたいと思いますし、できればゼミ全体がコミュニティとなっていけたらと思います(これは私の大きな研究テーマである People's Processに通じるものです)。そのためには通年をかけて、互いの人間関係を深めていく必要があると考えています。

なお、ゼミとして成り立たせるためには経験上30人未満でないと難しいと考えます。2014年度は、総合グローバル学部(FGS)が開設され、国際関係副専攻に新しく6人の専任教員が加わったため、ゼミ数が増え、ゼミの参加者が27人となり選抜は行われませんでしたし、今年も選抜はないのではないかと現時点では思っています。しかし、万一人数が多い場合には、全体で30人未満にするために選考をさせていただきたいと思います。 そのため、下記の説明を読んで、まず自分のやりたいことと私のゼミが合っているかどうかをよく考えてください。その上で、ゼミに応募されたい方は、ゼミ志望書を下記の様式で準備し、初回のクラス(4月16日)に臨んでください(選考が行われない場合でも、ゼミ志望書は必要です)
⇒様式はこちら(Word)(PDF)

初回に出席して様子をみた結果、このゼミを希望するものはこれを提出してください。なお万一希望者(初回のゼミ出席者)が30名を超える場合はこの志望書と下記の基準を基に選抜を行います(当然、初回欠席のもの、またこの志望動機書を提出しなかったものは、 優先順位が落ち、受講できない場合があるので注意すること)。

1)過去に私の授業を受講したものを優先する(私の授業の中の優先順位は以下のとおり:@国際政治経済論1、2、A国際経済学1、2)。条件の同じ場合は、その際の成績 も考慮する。

2)国際政治経済論1、2を受講していない場合、優先順位が落ちることになるが、強く受講を望むものは、以下の文献のうち一つを読んで、3000字から4000字程度のブックレポート(要約と考察(場合によっては感想も)) を準備し、初回のゼミの日に提出すること。これがあれば、上記1)の@国際政治経済論1、2を受講した場合に近い扱いをする。


<ブックレポートのための文献>

[1]ホルヘ・アンソレーナ、伊従直子 (1992), 『スラムの環境・開発・生活誌』明石書店。

[2]パウロ・フレイレ(小沢有作他共訳) (1979), 『被抑圧者の教育学』亜紀書房。
  パウロ・フレイレ(三砂 ちづる 訳)(2011)、『被抑圧者の教育学ー新約』亜紀書房。
・古典的書物だが、途上国における教育支援、特に識字教育に関心がある人は是非読んで欲しい本。識字教育の原点はここ。

[3]幡谷則子、下川雅嗣 [編著](2008)『貧困・開発・紛争:グローバル/ローカル相互作用』(地域立脚型グローバルスタディーズ叢書第3巻) 上智大学出版会。

[4]穂坂光彦 (1994), 『アジアの街わたしの住まい』明石書店。
・居住問題が中心テーマであるが、アジア各国のスラムでの人々の生活・取組の実情がよくわかる。

[5]ホルへ.アンソレーナ/伊従直子/内田雄造/穂坂光彦 (1987), 『居住へのたたかい』明石書店。

[6]パウロ・フレイレ(里見実訳) (2001), 『希望の教育学』太郎次郎社。

[7]青木秀男編著(2010)『ホームレス・スタディーズ:排除と包摂のリアリティ』ミネルヴァ書房。

[8]稲葉剛(2013)『生活保護から考える』(岩波新書)岩波書店

[9]稲葉剛(2015)『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために:野宿の人びととともに歩んだ20年』エディマン

注意

本ゼミは、木曜日5限となっているが、7時過ぎまで長引くことが多いのでその旨最初から留意しておくこと。また、クラス、クラスの準備、日々の研究、さ らには学生どうしの交流等、かなり積極的に参加する学生を望むのでその覚悟で臨んで欲しい。なお下記にある最終合宿は全員参加です。 また、このゼミではグループワークを大切にし、また場合によってはグループ研究を行う場合もあるので共同作業、共同研究を大事にしてみたいと思う学生を期待する。

内容

・国際政治経済諸問題をより深く理解する能力を育てる。春学期は原則として、毎週一つのテーマを設定(場合によっては2週で一つ)し、それについてのグループワークを行う。なお事前にそのテーマに関して必読 文献を指定するので各自はそれを読んでゼミに参加することが要求される。また毎回のグループワークと同時並行で、卒論執筆予定者は各自の研究、そしてそれ以外のものも 交換留学生以外は年度末の最終プロダクト(ゼミ論、グループ研究等)のための学習・研究をすることとなる。秋学期はその途中経過報告、研究結果を発表し討論することが中心となる予定。 またゼミ受講者は国際経済学1,2または国際政治経済論1・2(下川雅嗣担当)を既に履修済みか、併せて受講することが勧められる。
・過去のゼミでやった詳しい内容については、私のHPのゼミ(演習)の各年度の説明を参照のこと。
・過去のゼミ生の卒論・ゼミ論の要旨については、私のHPのゼミ(演習)の各年度のゼミ論・卒論要旨等を参照のこと。
・ゼミ論においては、個人研究だけでなくグループ研究・執筆を可とし、また最終成果も論文の形にこだわらず共同で何らかの実践を行い、その軌跡のレポートという形も最終成果として認めようと思っている。詳しくは初回クラスの時に話し合う予定。

春学期グループワークを行う際のテーマ

※初回の授業あたりにもう少し詳しいものをアップしたり、配布できればと思いますが、履修登録期間中なので、取り急ぎ、ざっとテーマを考えてみました。初回の授業でもし受講生からのいろんな要望等あれば変わる可能性もあります。なお、必読文献リスト等まだ具体的に記載してないものがあります。近日中に追加します。 ※日程はとりあえずの目安です。途中で順序が入れ替わったり、別なものが入る(秋学期にずれこむ)こともあるので、ゼミ生は休んだ場合等常にMLを注意したり、他のゼミ生に確認してください。 また、グループワークをする際には、(必読)の文献は、事前に必ず読んでかつ、当日のディスカッションで分かち合うポイント(重要だと思うこと、印象に残ったこと、問題だと思うこと等)を簡潔にまとめておいてください。 なお、このまとめは箇条書きでよいですが、当日のゼミ後に提出してもらいます。推奨・参考文献も ディスカッションを深めるために、特にその分野に関心がある方は読んでおいてください。なお、推奨・参考文献は短いものだけでなく一冊の本等もあります。よってそれぞれのテーマの中で自分 の関心が強いテーマがあってより深く勉強したい方は、事前に図書館で借りたり購入したりして 読んでおけばよいのではないかと思います。また少なくとも1冊くらいは私の研究室にあるので、先着順で2週間ほどはお貸しすることが出来ると思います。なお(M)とあるものは、Moodleの演習(国際政治経済論)にアップしてあるものを意味します。早いうちにMoodleから文献等をダウンロードできるようにしておいてください。なお登録キーはゼミにてお知らせします。

1) 4/16:イントロダクション

2)4/23:アイスブレーキング、KJ法について

3)4/30 :貧困・開発・発展 
 (必読)1:下川「貧困者の現実、彼らの歩みとオルタナティブな発展―アジアの都市部の事例を中心にー」
    (完成版は村井吉敬、安野正士、David Wank [編著](2007)『グローバル社会のダイナミズム:理論と展望』(地域立脚型グローバルスタディーズ叢書第1巻)上智大学出版会、183-206。(M))
    (英訳:"People's Reality, People's Process and Alternative Developments in Urban Asia")
     2:下川 『Japanese Seed』
  (推奨)1:既履修者は下川の国際政治経済論2の授業を思い出しながら
     2:James Ferguson (Stanford University) "Decomposing Modernity: History and Hierarchy after Development" 
     (日本語訳完成版:「近代の神話の解体―進歩主義以後の時代における歴史と階層序列」は『グローバル社会のダイナミズム:理論と展望』(地域立脚型グローバルスタディーズ叢書第1巻)に収録(M))

4)5/7 :貧困者の歩み(People's Process)の発展とオルタナティブな発展モデル
 (必読)1:『貧困・開発・紛争:グローバル/ローカル相互作用』「貧困者の歩み(People's Process)の発展―パキスタン、タイの事例から」(下川雅嗣)
      2:『貧困・開発・紛争:グローバル/ローカル相互作用』「結び―ローカル/グローバル相互作用が生む新たな発展モデル」(下川雅嗣)
 (推奨)1:下川「アジアにおける貧困者のあゆみとコミュニティ・ビジネス」内田雄造編著『まちづくりとコミュニティネットワーク』解放出版社, 159−185, 2006年。

5)5/14:貧困と教育:学校教育、ノンフォーマル教育、識字教育、意識化教育(パウロフレイレ)
 (必読)1:糟谷有紀子『教育は貧困者の可能性を拡大できるか』2004年度卒業論文
      2:『教育支援について』下川のインタビュー記事のまとめ(6ページ)(M)
 (推奨)1:氏原由実 (2007)『パウロ・フレイレの教育学と日本社会の意識化への可能性』2006年度セミ論
 (参考)1:パウロ・フレイレ(小沢有作他共訳) (1979), 『被抑圧者の教育学』亜紀書房、または、パウロ・フレイレ(三砂 ちづる 訳)(2011)、『被抑圧者の教育学ー新約』亜紀書房。
      2:パウロ・フレイレ(里見実訳) (2001), 『希望の教育学』太郎次郎社。
      3:2010年度ゼミグループ研究作成「貧困と教育」ブックレット(はじめに、全文→M)
      4:木村勝太『ノンフォーマル教育の拡大阻害要因:教育開発の潮流からの考察』2012年度卒業論文(全文→M)

6)5/21:卒論計画の報告・グループ研究テーマの提案

7)5/28:アグリビジネス@(ビデオ『モンサントの不思議な食べ物』+α)

8) 6/4:アグリビジネスA(緑の革命、遺伝子組み換え穀物を含む)と発展途上国(グループワーク)
(必読)1:西田理紗(2015)『グローバル化における種子産業の展開と構造的変化』2014年度ゼミ論文(近日中にMかHPにアップします)。
以下2つのうち一つを必読にするかどうか検討中
(必読or推奨)1:吉田真子"The Reinforcement of External Seed Dependency" 2004年度卒業論文(英文)
            ←限りなく必読に近い推奨。どうしても英語は無理という人以外は読んでください。
          2:小林志乃(2013)『多国籍アグリビジネス企業が生産者に与える社会的影響の検討』2012年度卒業論文(使う場合は近日中にMにアップします)。
     
9)6/11:連帯経済について(特にラテンアメリカを中心に)

(必読)1:ブラジルの連帯経済紹介ビデオ(12分:日本語字幕あり)
     2::木梨咲野(2015)『これからのラテンアメリカの連帯経済』2014年度ゼミ論文
     3: 藤井枝里『アルゼンチンにおけるERT:労働者による会社・工場回復運動〜雇い主のいない労働を求めて〜』2006年度ゼミ

10)6/18:フェアートレード@(ビデオ『おいしいコーヒーの真実+α』

11)6/25:フェアートレードA(グループワーク)
(必読)1:金子実蓉子(2015)『FLOの意義・課題:フェアトレードは生産者の貧困削減に繋がるか』2014年度ゼミ論文(近日中にMにアップします)。
     2:中澤勇紀(2015)『コーヒーとフェアトレード』2014年度ゼミ論文(?たぶん近日中にMniアップします)。

12) 7/2 :グローバル化とオルタナティブな働き方@(協同労働:ビデオ2本))

13)7/9: グローバル化とオルタナティブな働き方A
 (必読)1:菅野正純「「民衆のグローバリゼーション」と「協同労働の協働組合」」『社会正義』23, pp23-41.
 (参考)1ホセ・アスルメンディ 『アリスメンディアリエタの協同組合哲学―スペイン・モンドラゴン協同組合の創設思想』
      2:協同総合研究所のHPは参考になります
14) 7/16: 卒論中間報告(できればグループ研究、ゼミ論テーマ発表)

(他の可能性としては、児童労働、環境難民、貿易ゲーム、累積債務問題、経済統合(TPP含む)、都市再開発と排除、企業の社会的責任(CSR),社会分析(現代日本社会の問題))他)

卒論執筆者・ゼミ論執筆者の日程目安

<春学期:演習(国際政治経済論1)>
・5/29:国際関係副専攻卒論登録締切(これ以前にテーマをある程度絞っておかないとこのときでは遅い)
・7/16に 卒論・ゼミ論・グループ研究/プロジェクト等のテーマ・途中経過発表
(なお、卒論は春学期・秋学期にわけて3単位ずつ付与されるので、卒論執筆予定者はこの時点で最初の評価を受けることになるので、ある程度の完成度が要求されるのでご注意を)

<秋学期:演習(国際政治経済論2)>
・秋学期は順に中間発表、一部グループワーク、講演会他の企画
・12月7−11日:卒論提出期間
・12月末及び1月:卒論最終発表(ゼミの時間中)
・1月12日(火))国際関係研究(副専攻)&アジア文化研究(副専攻)&総合グローバル学部共催での全体卒論発表会(15:30−)←おそらく各ゼミからの数名の代表者
・おそらく1月9,10,11のどこか1泊2日でゼミ論(グループ研究)最終報告合宿(原則全員参加)
・ゼミ論(グループ研究のプロダクト)の締切りは最終合宿の前のゼミの日(たぶん1月7日?)にしたいと考えている。また提出後、修 正指示があった場合の最終締め切りを1月20−25日あたり)と考えている。

Seminarへ戻る