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下村研究室は光集積回路実現に関する研究を行っています。   ▷English

〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
4号館275A室

光偏向器OPTICAL DEFLECTOR

マルチメディア通信の普及に伴うトラヒックの急増により、幹線系通信システムでは通信容量の大幅な拡大が必要となっています。幹線系通信システムに広く用いられている光通信システムでは、近年の光増幅・光源・分合波器等の技術進歩により、波長多重(WDM)伝送が実用化され、広く導入されつつある。波長多重技術を用いたネットワークは伝送容量の大幅な増大を可能とするだけでなく、ノード機能を含めたネットワーク全体の光化を可能にする技術として注目されています。こうしたネットワークを構成する装置には、光パスクロスコネクト、光ADM(Add Drop Multiplexer : 分岐挿入多重化装置)、光交換器があり、それぞれ現在の電気による同種の装置より高速・大容量な装置を、光技術を適用することで小型で経済的に実現することを目指しています。




われわれは光交換器に応用するための光偏向器として、上図のような有機金属気相成長法による選択成長を用いて作製したアレイ導波路を利用した光偏向器に関する研究を行っています。


異なるバンド端を持つアレイ導波路に電界印加をするとそれぞれの導波路内では、バンドギャップが異なるためにQCSEによる屈折率変化がそれぞれ異なり、導波路間の位相が制御されることになります。例えば図のように、元々の導波路屈折率差によって各アレイ導波路からの出射光による干渉パターンは中心からずれていますが、各アレイ導波路が異なる電界屈折率変化によって同じ屈折率になったとすると、干渉パターンは中心位置で最大となり、この干渉パターンが変化することによって光の偏向動作が実現でき、1×N型光スイッチへの応用が可能となります。また各アレイ導波路のバンドギャップ差、屈折率差と電界屈折率変化を設計することによって、各アレイ導波路への印加電圧を同一にしてもこの偏向動作が可能となります。これは制御のしやすさという点では非常に有利となります。また逆にいえば各アレイ導波路を個別に制御すれば、複雑な光偏向動作も可能になると考えられます。


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