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下村研究室は光集積回路実現に関する研究を行っています。   ▷English

〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町7-1
4号館275A室

多モード干渉導波路MMI

光等分配器は、ファイバから入力された光を多数本の光導波路へ等分配する素子であり、様々な光制御素子への結合という意味から重要な素子です。我々が研究しているアレイ導波路型光偏向器でも光ファイバから入射された光をそれぞれのアレイ導波路に等分配する必要があり、その実現のために多モード干渉導波路(Multi Mode Interference, MMI)素子を用いて光を等分配することを試みています。
まず、MMI素子の有用性を確かめるために数値解析を行いました。有限差分法を用いたビーム伝搬法(FD-BPM)を利用し、入射導波路幅3μm、MMI導波路幅30μm、コア・クラッド屈折率差 1%とし導波路中を光が伝搬する様子を解析しました。その解析結果を示します。MMI導波路の入射部断面と4分岐出射部断面の光電界強度分布から、入射した光はほぼ一定間隔で4等分されておりクロストークも少なく、一定間隔に配置されたアレイ導波路への光の等分配が可能となります。またMMI導波路長はMMI導波路幅の変化に非常に敏感であるので、両者の依存性についても考慮する必要があります。

FD-BPMによるMMIシミュレーション



MMI導波路中を光が伝搬する様子です。左側が光入射部で、右側が出射部です。この図を見て分かるように、4分岐に至るまでに5、6、7、8分岐が見られます。しかし4分岐以上の場合、隣の分岐光とのクロストークが大きくなり、分岐がうまくできません。8分岐、しいてはそれ以上の分岐を実現するには、MMI導波路長、MMI導波路幅の最適化が必要といえます。

GaInAs/InP MQWを用いたMMI導波路の試作

GaInAs/InP MQW基板を用いて電子線露光により入射導波路幅3μm、MMI導波路幅30μm、MMI導波路長545~560μmのMMI 導波路を作製し、入射光波長1.55μmでの導波測定を行いました。


作製した素子の近視野像

MMI導波路中を光(波長 : 1.55μm)が伝搬し、出射側から見た光の像です。

1:4MMI導波路


1:16MMI導波路




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