研究テーマ


[学術研究]
専門分野:消費者心理学、社会心理学、消費者行動論、マーケティング論


■ 顧客視点のブランドマネジメント:「強い」ブランドを構築するための戦略に関する研究
 ブランドの評価には、たとえ悪いクチコミを読んだとしても悪化しない「強い」評価と、うつろいやすくてブランドスイッチをおこしやすい「弱い」評価があります。ブランドに対する消費者の評価(態度)はどのような構造になっているのかを研究しています。とりわけ、SNSなどを通じた社会的影響や、海外と比較して日本人の消費者のブランド評価にはどのような特徴があるのかについて研究しています。

■ SDGs達成に向けたマーケティングの効果研究
 SDGs(sustainable development goals)や持続可能性(sustainability)は、近年、企業経営の最も重要なキーワードのひとつとなりました。多くの企業が、SDGsを達成するための様々な活動に取り組んでいますが、それらは消費者から見て、どのように評価されているのでしょうか。地球環境保護、社会貢献活動、インクルーシブな組織の構築は、それ自体、素晴らしいものであることに疑いの余地はありません。しかしながら、過去の研究は、これらの活動が必ずしも消費者から好意的に受け止められないことも、明らかにしてきました。たとえば、環境保護活動をアピールしながら使い捨て商品を販売したり、ラグジュアリーな雰囲気を売りにするブランドがリサイクル素材を活用するなど、辻褄の合わない施策に消費者は疑念や嫌悪感を抱きます。持続可能な社会に向けた企業経営の適切なありかたについて研究しています。

■ マーケティングにおける文化差:言語に伴う消費者の認知様式の差異に関する研究
 海外で評判の良い広告が、日本でも同じように好ましく評価されることもあれば、そうではない場合もあります。国や地域ごとに様々な文化差があり、グローバルマーケティングにおいては、消費者の価値観やニーズに合わせて戦略を調整する必要があります。様々な文化差の中で、とりわけ「言語」の違いに注目しています。普段話す言語が私たちの認知様式にどのような影響を与えるのか?について、主に動画や広告表現などを対象として研究をしています。

■ インターネットを介したコミュニケーションと対面コミュニケーションの特性についての研究
リモートワークの普及に伴い、日常的にオンラインコミュニケーションを利用する機会が増えました。しかし私たちは、オンラインコミュニケーションよりも対面コミュニケーションの方が望ましく、できれば対面で話した方が伝わりやすいと感じる傾向があります。最近のオンラインビデオ会議ツールは使い勝手もよく、お互いの表情も声も適切に相手に届けてくれるのに、それはなぜなのでしょうか?対面とオンラインコミュニケーションの心理学的差異について研究しています。


[産学連携研究/講演等]

■ 産学連携共同研究の実績

「ブランド拡張が製品の差別性およびロングセラー認知に与える影響に関する研究」(3年間/企業)
「オウンドメディアにおけるメッセージ戦略とブランドイメージの研究」(3年間/企業)
「口コミがサービスのリピート購買にもたらす影響に関する研究」(1年間/企業)

■ 過去の講演実績(代表的なテーマ)
「心理学から見た消費者問題の捉え方」(NPO)
「チャットによる通信販売について:消費者心理学の視点から」(政府)
「カーボンニュートラルに向けた消費者行動の変容:社会的認知とリスクコミュニケーション」(企業)
「企業のブランド力とはなにか:その意義と効果について」(企業)
「職場におけるリモートワーク/オンライン会議の活用について」(企業)
「対面コミュニケーションとインターネット・コミュニケーション:その効果と違い」(企業/政府)
「ブランドマネジメントの将来について」(企業)

■ 委員/審査員等の実績
内閣官房 ITコミュニケーション活用促進戦略会議(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)構成員
国土交通省 ITを活用した重要事項説明等に係る検討委員会 構成員
公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団 吉田秀雄賞 予備審査員
朝日生命相互保険会社 評議員
日本マーケティング協会 マーケティング大賞 審査員
(株)インターブランドジャパン Japan Branding Awardワークショップ パネリスト

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