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研究内容(一般向け)
ナノ物理探求による新しいデバイスへ、おおきくわけて以下の3つを研究しています

A:量子情報デバイス(単電子単一光子デバイス)



電流は単位時間当たりの多数の電子の流れを表したものです。例えば、通常ノートパソコンに流している電流量はおおよそ1Aですので、1秒間におおよそ10<sup>18</sup>個の電子が流れている事になります。また私達が目にする光も、光子と呼ばれる粒からできています。例えば、講義などで私もよく使用するレーザーポインタ(~1mW)は1秒間あたり、おおよそ1015個の光子を放出しています。数が大きすぎてピンとこないかもしれません。1015個は1千兆個でして、大雑把な話をしますと、もし1千兆個の砂粒があったとするとおおよそ東京ドームぐらいの砂山になります。1018個ですとその1000倍です。このように電子や光子は、通常、膨大な数の集合体として我々の目に現れているのですが、近年、ナノテクノロジーによる微細加工技術の進歩に伴い、その電子や光子を一つずつ扱うことが可能になってきています。こういった技術を駆使する事で実現できる革新的な機能を持つデバイスの開拓や、それにつながる新しい物理現象の探求を行っています

 

進行中のプロジェクト:このような研究の一つとして青色発光ダイオードで有名なGaNの柱状構造(ナノコラム)からの単一光子発生を達成しました。最近は量子メモリを担う材料研究に取り組んでいます。長いコヒーレンス時間をもつ希土類元素EuをGaNに埋め込んだ系に注目し,量子メモリを担うスピン状態の解明を進めています。
B:ナノ+構造変化エレクトロニクス
上記のような”ナノ”や”量子”の技術をつかって、様々な面白い特性をもつ材料の研究を進めています。現段階では、DVDやBlu-rayで身近な相変化材料と将来スマートフォンなどに搭載されるであろう新型メモリ材料(ReRAM材料)に注目しています。

カルコゲナイド系相変化材料を固体電解質として用いAg,Cuといった活性金属の超イオン伝導と電気化学的反応によって様々な新しい機能の創造,デバイス応用を行う研究である。超イオン伝導は電磁誘導で有名なマイケル・ファラデーによる発見にはじまる古くから行われている研究であるが,未だメカニズムに不明な点が多い。
本研究ではBlu-rayに用いられる相変化材料Ge-Sb-Teにおいて同現象が起きることを初めて明確にし,また,これまでにないナノ構造の作製に成功し、量子情報で培ったナノエレクトロニクスの技術を駆使することで,高周波デバイスや熱電デバイスへ応用する研究も進めています。
C:宇宙ナノエレクトロニクス
これまでに培ったナノエレクトロニクスの技術の宇宙応用への展開を目指し,JAXA宇宙科学研究所との共同研究を2016度からすすめています。 JAXA川崎研究室との共同研究では常温接合とナノRF技術を用いた高周波デバイスの研究開発を行ってきました。 2021年度からはJAXA赤外線グループとの共同研究で赤外線(THz帯)の天文観測に求められる光学素子を微細加工の技術を駆使して開発しています。
 

研究業績
researchmap  または上智大学教員教育研究情報データベースをご参照ください。

2011年度以前は教員個人WEBページをご参照ください

 
昔の記録:実験室たちあげの様子(2010-2012)
2010/4/1-2012/1/10

研究環境構築中(実験室立ち上げの様子を紹介しています。)